―最良の学習環境(学習成果=集中力×学習時間)づくりに向けて―
昭和62年に「中高一貫・英才教育・全寮制」を教育の柱とし、難関大学合格を学校の使命として開校し、第1回卒業生61名中、10名が東京大学を受験、8名が現役合格を成し遂げました。その後も開校10年目にして東京大学合格者数が単年で30名を突破し、全国的な注目を集めてまいりました。
また、全国各地から集う生徒が、寝食を共にして友情を育む学寮では、規則正しい集団生活を通じて協調性と自立心を養い、精神面での教育にも力を注いできました。
しかし、ここ数年間は生徒、保護者の皆様方の期待にお応えすることができず、大変申し訳なく思っております。現在、これまでの取り組みを検証し、大きな反省に立ち様々な観点から原点に戻り、見直しを図っております。
設立時に最も重視したのは学寮の学習環境の確立でした。
開校当初、寮のメリットとして、通学に要する時間(1日につき2時間ほど)を学習時間として活用し、無理なく日々6時間以上の寮学習に取り組んでいました。その結果、全国どの学校も成し得なかった、開校10年目にして東京大学30名を突破するという記録を打ち立てることができました。
しかし、開校以来、卒業生が築き上げてきた大切な成功の方程式である「学習成果=集中力×学習時間」の「集中力」だけに平成10年頃から管理の目がいき、限られた時間の中でしか「集中力」は培われないという誤った指導方針のもと、平成18年からは学習時間の許可制を導入して制限管理するという大きな過ちを犯してきました。
結果として、本来大事にすべき生徒の自主性や意欲を削いでしまう悪習となってしまいました。
現在は設立の本来の姿に戻り、“いつも見ています「心の健康・体の健康」”を心掛けながら、通学の負担がない寮生活の中でこそ活きる、時間の有効活用を最大限提供するよう努めています。
このような問題も含め総合的な学園改革を推し進めた結果、開校当初の活気が再び呼び起こされ、明るい兆しとして表れてきています。